2021年、第43回入野賞:室内楽部門の選考結果をご報告させていただきます。 入野賞選考委員会は、2021年10月10日にNPO法人JML音楽研究所で開催され、5カ国15曲の応募作品の中から、第43回入野賞受賞作品を決定いたしました。選考委員は、田中聰 (審査委員長)、莱孝之、たかの舞俐、三輪眞弘、鈴木治行、成本理香でした。 受賞者2名には入野賞表彰状、および賞20万円(2名でシェア)が授与されました。
第43回入野賞 室内楽部門 2021
受賞作品と受賞者 (賞金20万円 を2名でシェア)
「Durant l’eternite de Timee」 約9分
8楽器のための (for fl, cl, trp, trb, perc, vl, vc, harp and perc)
作曲者 : デミアン・ルーデル レイ
(Demian Rudel Rey、1987年、アルゼンチン生)
「Voyage」 約8分
for cl, vc and accordion
作曲者 : ツオシェン・ジン
(Zhuosheng Jin、1991年、中国生)

デミアン・ルーデル レイ略歴
アルゼンチン、ブエノスアイレス出身。現在、フランスのリヨン在住。ギターを学習したのち、アルゼンチン国立芸術大学で作曲を学び修士号を取得。フィリップ・ユレル、マルティン・マタロン、フランク・ベドロシアン、ヤン・ロビン、ホセ・マヌエル・ロペス・ロペス等の作曲家各氏から特に作曲思想の面で指導、影響を受ける。器楽作品、電子音楽作品、さらに映像音楽を作曲している。
ナディア/リリ・ブーランジェセ国際センター、サラベール財団、SACEM、アルゼンチン・モーツァルテウム、FNArtes、BECARから助成を受け、Ivan Juritz賞(英)、サラベール財団賞(仏)、Sond’Ar-te賞(葡)等を受賞。
彼の作品はエミリー・カー弦楽四重奏団、バルセロナ・モダン、Atelier XX-21、TOROPIアンサンブル等、多くのアンサンブルによって演奏されている。

ツオシェン・ジン略歴
ツオシェン・ジンの作品では文学、特に詩と音の質感が強調されており、「パワフル」で「忘れられない」音楽とニューヨーク・タイムズ紙で評価された。
彼は7歳でピアノの、13歳で作曲の勉強を始め、ボストン大学で修士号を取得した後、現在、マギル大学の博士課程に在籍中。ヘルムート・ラッヘンマン、ベアート・フラー、ピエル・ルイジ・ビローネ、マルコ・ストロッパ、ステファーノ・ジェルバソーニ等に指導をうけたり、彼らのマスター・コースを受講した。
2019年には武満徹作曲賞第3位、2020年にはマタンギボル作曲家コンクール(イスラエル)とサルヴァトーレ・マルティラーノ賞(米国)において第1位を受賞。 ジンの作品は、東京フィルハーモニー交響楽団、アンサンブル・アンテルコンテンポラン、クラングフォラム・ウィーン等によって、20を越える国々で演奏されている。楽譜はBabelScores(仏)から出版されている。